Project Printed Matter /
Evelin Kasikov
思い出してほしい、小学校の頃持ち歩いていた手提げバッグ。そこへ名前の刺繍がしてある子が何人かいたと思う。当時は母親が手で刺繍したのかと思っていたけれど、コンピューターミシンという洒落た機械に任せていたということを大人になって知った。しかし、彼女の刺繍文字は全く違うものだった。一針ずつ丁寧に縫い進めていき、さらには糸の色を変えることによって立体感やグラデーションを作り上げている。コンピューターミシンには出せない繊細なデザイン、また印刷機では出せない温かみを実現させているのだ。